治療
予防でがんばっていても虫歯ができることはあります
どれが虫歯?
虫歯の見分け方は次を参考にして下さい。(正確な診断はご来院下さい)
- 奥歯の溝が黒く(茶色く)なっている。
- 歯と歯の間が黒くなっている。
奥歯は一番後ろの乳歯とその手前の乳歯の間にできることがほとんどです。
前歯は下の歯にはあまりできず、上の歯にできることが大部分です。 - 歯に穴があいて物がつまる。
食べたとき、物がはさまって痛いときがあります。 - 冷たい物でしみてしまうとき。
神経まで近く虫歯が進んでいる場合があります。 - 歯ぐきがはれたり、出血やうみが出る場合。
虫歯が神経に感染してしまっています。痛みはないことが多いです。
※前歯の表面が薄く茶色くなっている場合は、茶しぶなどが付着しただけのときがあります。
ポリッシング(専用の回転ブラシで磨きます)で見違えるほどきれいになります。
歯の一部が黄色や白色になっている場合は、 虫歯のときと、もともと色がついていた場合があります。
歯が新しく出てきたり、乳歯と永久歯が生え変わるときには一時的に痛みやかゆみを伴うときがあります。
あくまでも目安ですので、心配でしたらご来院下さい。
治療に入るまで
治療ができるかどうかはお子様によってまちまちです。
年齢的にも様々で、2歳でも治療できるお子様もいますが、
小学校1年でやっとというお子様もいます。
通常は4歳ぐらいからがんばれることが多いです。
お子様の様子を見ながら、無理をせずお母様と一緒に取り組んでいきます。
治療に入るまでの流れ
- お母様の不安な様子はすぐにお子様に伝わりますので、
お母様は大きな気持ちで構えていて下さい。
無理はしませんので安心して下さい。 - まずは待合室から診療室内に入るまでがひとつの壁です。
白衣はお子様にとってはとてもいやな物です。 当院では基本的に小学校高学年でも保護者の方と診療室に入っていただくので お子様にとって不安はかなり小さくなります。 お子様が一人で受診できれば保護者の方には待合室で待っていただいたり、 お子様が一人でご来院いただいても大丈夫です。 - 診療椅子に座る。 これはかなりのハードルです。 見慣れない機械と、なにかされるのではないかという、不安でいっぱいです。 当院では使う機械・器具をお子さんに見せながら徐々に慣れていただきます。 また、一人で座れないお子様はお母様が抱っこしていただきます。
それでは治療です
当院の方針は、乳歯は基本的に生え変わる歯なので、あまり無理をせず、なにがなんでも治療するということはいたしません。
その時々に、お母様と相談しながら治療の内容を決めていきます。
治療の種類
- 虫歯の進行止めや予防薬
小さいお子様や、治療の難しいお子様 - 白いプラスチック製のつめ物
小さい虫歯や見た目の気になるところ - 金属のつめ物
大きい虫歯(白いプラスチック製のつめ物でつめることも多いです) - 神経の治療
痛い場合は麻酔が必要になります。 神経がすでに死んでしまっている場合には麻酔なしで治療ができます。
最終的には根の中をきれいにした後、被せます。
虫歯が大きくても大人の歯が生えてきたときは治療しないこともあります。
保護者様へのお願い
大人は心は開かなくても口は開きますが、子供は心が開かなければ口は開きません。
したがって、来院する前にお子様に恐怖心を与えることを言わないようにしてください。
たとえば、
- 『ほっておくともっと虫歯がひどくなる』
- 『ドリル で削らなければならなくなる』
- 『歯を磨かないからこんなになった』
- 『注射するから大丈夫(注射と聞いただけであとの言葉は頭に入らなくなります)』
- 『痛くないから大丈夫(否定の否定は子供にはわかりません。痛いんだと思ってしまいます)』
- 『虫歯になったからおやつは抜き』等々・・・。
ではどのように話してから歯科医院にいけばよいのでしょうか。
- 『一緒にバイキンマンを退治に行こう』
- 『歯をきれいにしに行こうね』
- 『大丈夫』
- 『頑張れる』等々・・・
肯定的な言葉をかけてあげましょう。
治療後の定期健診
治療をしてもまた虫歯ができることがあります。
また、お子様は歯ぎしりが強いことが多いので、つめ物が取れることもあります。
虫歯予防もかねて、3ヶ月ごとに来院して下さい。
歯が脱落した時
外傷 転んだり、ぶつかったりして歯が脱落ししてしまったときは、 次の順序で至急近くの歯医者さんに持っていって下さい。
1. 泥などがついていれば、水で流す程度で軽く汚れを落とす。
- してはいけないこと:お湯で流す→歯の表面についている組織が死んでしまいます。
- 消毒する→これも歯の表面についている組織が死んでしまいます。
- 歯の表面についている肉のような組織は絶対にはがさない。
2. 一刻を争うので、至急近所の歯科医に駆けつけて下さい。
30分以内であれば、歯がもとの状態に戻る可能性は大きいです。 ただし、清潔さや歯の表面の組織の保存状態で大きく左右されます。 最悪2時間以内→ただし、このときは一時的には歯はついても、時間の経過とともに歯が定着しない危険性が高くなります。 2時間を超えてもあきらめないで下さい。
3. 次のように保存し持っていって下さい。
- 生理食塩水を入れた清潔なビンに抜けた歯を入れる。→一番良い
- 生理食塩水で十分に湿らせた滅菌ガーゼにくるむ。できたらビニール袋に入れる。
- 生理食塩水の代わりに目薬を使う。
- 生理食塩水の代わりに牛乳を使う。
- もし、上記のものがなければ口の中に入れて持っていく。